「ざるそば」「もりそば」は違う?「かけそば」「せいろそば」は?

 

「ざるそば」「もりそば」は違う?「かけそば」「せいろそば」は?

言われてみれば気になる「ざるそば」「もりそば」は違うのか?そういえば、「ぶっかけそば」「かけそば」「せいろそば」って商品もあります。これらは一体何が違うのか?

蕎麦屋のお品書きをみると「ざるそば」「もりそば」って両方販売されていて、同じ値段のところもありますが、値段が違ったりします。どちらかというと、「ざるそば」の方が高い気がする・・・。

でも、そもそも何が違うか分からずに選んでしまっていました。値段違うのに・・・。ここはしっかりと違いを抑えておくべきですよね。

そこで、「ざるそば」「もりそば」の違いを調べてみることにしました。でも、考えてみると「かけそば」「せいろそば」なんて商品もありますよね。

正直しらべてみるまで、

「ざるそば」・・・・・ざるに盛っているもの

「もりそば」・・・・・お皿に盛ってるもの

「かけそば」・・・・・つゆを付けずにかけるもの

「せいろそば」・・・・せいろに盛っているもの

なのかと思っていました。入れ物や食べ方の違いなら値段が高いものを選ぶ必要ってないですよね。これらの違いについて調べてみました。調べていると、それぞれの違いはそばの歴史から発生してきたようです

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そばの始まりと「もりそば」の誕生

 

そばの歴史は長く、高知県にある遺跡からは9300年前の蕎麦の花粉が出土しており9000年以上前から食べられていたようです。

そもそも、そばと言えば細い麺をイメージすると思いますが、そばの始まりは蕎麦粉を熱湯でこねて餅状にした団子状の「蕎麦掻き」というものが始まりでした。

今のような麺の形になったのは室町時代(西暦1336年から1573年までの時代)の後期からなんだそうです。この時は「そば切り」と呼ばれていたようです。

「もりそば」と呼ばれるようになったのは江戸時代の中期頃だそうです。

「かけそば」の登場で「もりそば」の呼び名が付いた

江戸時代中期頃に、もともとつゆにつけて食べていたそばを、都度つゆにかけて食べるのが面倒だと感じる人が、つゆをぶっかけて食べだしました。このつゆをぶっかけて食べるのが「ぶっかけそば」の始まりだと言われています。

当初は冷たいつゆをぶっかけて食べていたようですが、その後、寒い季節には熱いつゆをかけて食べられるようなりました。この時冷たいつゆをかけて食べる「ぶっかけそば」と区別するために「かけそば」と呼ばれるようになったそうです。

「ぶっかけそば」「かけそば」のようにつゆをかけて食べる方法と、従来のつゆにつけて食べる方法を区別するために「もりそば」という呼び名が出来たと言われています。

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「ざるそば」「もりそば」は違う?

さて、ここで本題の「ざるそば」「もりそば」の違いです!

「ざるそば」が登場したのは、江戸中期頃。江戸(東京)深川洲崎にあった「伊勢屋」が竹ざるに乗せてそばを出したことが始まりだと言われています。ざるに盛って出すと水切れも良く、美味しく食べられるし、見た目も良いのでこの「ざるそば」の食べ方が定着したのも納得できますね。「伊勢屋」さんナイスアイデアです(*^-^*)。

つまり、当時は「ざるそば」「もりそば」の違いは容器の違いだったわけですが、明治時代入り「ざるそば」「もりそば」は差別化されていきます。

その差別化の一つが海苔のあり無しです。「ざるそば」には海苔をのせ、「もりそば」は海苔無しと言った形です。その他、「ざるそば」のつけ汁には当時高級であったみりんを加え差別化を行いました。お店によっては麺の質を良くしたり、つけ汁に「御膳返し」を使いよりコクのあるつけ汁にしているお店などもあったと言われています。

しかし、現在ではつけ汁や麺を差別化して取り扱っている蕎麦屋は少なく、多くの場合は海苔のあり無しだけの違いになっています

せいろそばとは?

もう一つ、そばで気になるのは「せいろそば」。これも「ざるそば」「もりそば」と何が違うのかご存知でしょうか?

そもそも「せいろそば」の名前は器として利用される「蒸篭(せいろう)」からきています。器の名前の「せいろう」の「う」が取れて、「せいろそば」と呼ばれています。

「せいろそば」の誕生には2説あります。

一つ目は、江戸時代初期には、そばを蒸して暖かいそばを提供する店もあったと言われています。昔のそばは今のように小麦粉を利用しておらず、茹でると切れやすいため蒸して食べる調理法もあったようです。この蒸すときに蒸篭(せいろう)を器として使っていたので器の名前から「せいろそば」と呼ばれるようになった。

そして、もう一つが江戸時代の末期に蕎麦屋の値上げがあり、幕府がこの値上げ要求を拒否し、代わりに量を減らすことを提案。量が減っただけでは見た目が悪く不満になるため、これを工夫して蒸篭(せいろう)にすのこを引いて底上げし量を調整した事が始まりという説です。

現在では、「せいろそば」は蒸篭(せいろう)の容器を使用することでこの名で呼ばれていますしかし、ざるにそばを乗せて「せいろそば」と呼んでいる店もあり、定義も曖昧なものとなっています。

「ざるそば」「もりそば」「かけそば」「せいろそば」違いまとめ

「ざるそば」「もりそば」「かけそば」「せいろそば」違いは、その由来を見ていくとそれぞれに理由がありました。

「ざるそば」「もりそば」「せいろそば」は現在では、麺やつゆ、調理法などに違いがあるところも少なく、蕎麦屋によってただ呼び名が違うだけ、容器が違うだけになっていたりする場合が多いでした。ただ、「ざるそば」「もりそば」の違いは海苔の有り無しで名がついているところは多いようです。

もし、「ざるそば」「もりそば」「せいろそば」を提供している店があり、かつ値段に違いがあるようであれば、その違いについてはお店に確認してみるのが良さそうです。個人的には、つゆや麺にこだわりがあり、「さるそば」の値段が高いならアリかなと思いますが、海苔がちょっとかかっているだけで値段に1割、2割違うのであれば、「もりそば」で十分って気がします。

「かけそば」は温かいつゆをかけたそばとして提供されているのが一般的です。これは「かけうどん」なども同様ですね。

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